にまみれも

北の桜守のにまみれものレビュー・感想・評価

北の桜守(2018年製作の映画)
3.8
冒頭に事実に基づいたフィクションと断り書きがある。
という事は、ドキュメンタリーではないけど、引き揚げ者の記憶をパーツとして取り上げている訳でもある。

だから、箇所箇所からは、リアルな恐怖、絶望的な悲しみ、深い後悔が伝わってくる。
自分は幸せになってはいけないのです、と思うてつさんも、誰かのリアルな姿なのかもしれない、そう思いました。

真理の父親が来日した時、修二郎の母親に対する態度に寛大だったのは、戦時時にアメリカであった日系人強制収容を体験してるからでは?と推測。
おそらく真理の父親は移民2世、この世代はまだ、親が日本人の記憶を強く伝えてくるので、収容所生活の苦労を体験してた他に、修二郎の親子の慕情を理解出来たからでは?と推測レベルですがそう思っています。
監督は、本当はこの部分も盛り込みたかったんじゃないかな?

なので、修二郎が母親を探して戻ってきたとき、神妙になってたのも、おそらく父親から戦争時代の苦労や、修二郎の引き揚げ体験を説明されたからかな?とも思ってます。


舞台を組み合わせているから、舞台のシーンは違和感あるような、でも妙にしっくりくるような、不思議な感覚でした。


所で、吉永小百合さんは妖精なんでしょうか?
若い頃の役も老女の役も、なんとも言えない存在感。
凄いけど、よく見たらてつさんなんだけど、それでもやっぱり「あ、吉永小百合さん」としか思えない。ww