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きみの鳥はうたえるのmochikunのレビュー・感想・評価

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
3.1
柄本佑が演じる役の、地方都市に住む行き詰まった若者の無気力感が切なくて良かったです。

バイトを二日酔いのまま出勤したりと、明らかに社会に適応出来ていないんですけれど、一本筋の通った正義のようなものは持っていて、なんだか捉え所がないように感じていましたが、ラストで人間らしい感情が垣間見えてウルっときました。
そのウルっときた理由は、大切なものを失いかけてるときにやっと人生と向き合い始めたというか、自分自身で決めた自分を縛る規程から解き放たれたというか、そんな印象を受けたからだと思います。
つまり、生まれ変わろうとする人の姿の美しさが、あのシーンにはあったと思います。

でも、状況としては柄本佑よりも染谷将太の方がずっとキツいですし、見終わったあとも心に残るキャラクターです。あいつちゃんと上手くやってるかな〜みたいな。

あと、劇伴もすごく良くって、手法としては特に珍しいものではありませんが、レコードを逆回転させたような曲がとても印象的でした。
戻ることの出来ない人生のある季節を思い出している、みたいなことを曲で表現したのかな〜とか思ったり思わなかったりラジバンダリ。
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