「一般20代の絵」があったら、そこからするりと飛び出してきたような、主人公3人の自然な在り方が、素晴らしいのなんの。
気の効いた言い回しや、不自然な独り言はいっさい描かれない。映画のようにおしゃれな口説き文句でも意中の女子に囁きたいよ、と思っている自分が恥ずかしい。だってリアルじゃないもん。
上手にビリヤードができなくて、ただただゲラゲラ笑い転げるし、みんなで深夜のコンビニに買い出し行くときって、何でも無いのになんであんなに楽しいんだろう! わかる。
映画のタイトルでもあるビートルズの楽曲で、ジョンレノンは「恋心」を「鳥」に喩えて書いた(と思っています)けれど、登場人物たちは、何が欲しかったんだろう。
”望むものはすべて手に入れたと君は言うね。
君の鳥はうたう。
だけどまだ、僕を手に入れていないよ。
僕を手に入れていないさ。”
すれ違いで始まる恋?そんなんじゃなくて。
誰もが自分を受け入れて欲しいし、認められる存在でありたい。そう思ってくれる人と一緒にいたい。華やかではない暮らしぶりでも、不真面目な勤務態度でも。
だから態度で示さなきゃね。すみませんでした。鳥ちゃんが飛び立った後では、手遅れかも知れないよ。
約2年半ぶりのレビュー……これからもちょっとずつ更新したいと思います。