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きみの鳥はうたえるのEのレビュー・感想・評価

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
4.0
「一般20代の絵」があったら、そこからするりと飛び出してきたような、主人公3人の自然な在り方が、素晴らしいのなんの。

気の効いた言い回しや、不自然な独り言はいっさい描かれない。映画のようにおしゃれな口説き文句でも意中の女子に囁きたいよ、と思っている自分が恥ずかしい。だってリアルじゃないもん。

上手にビリヤードができなくて、ただただゲラゲラ笑い転げるし、みんなで深夜のコンビニに買い出し行くときって、何でも無いのになんであんなに楽しいんだろう! わかる。


映画のタイトルでもあるビートルズの楽曲で、ジョンレノンは「恋心」を「鳥」に喩えて書いた(と思っています)けれど、登場人物たちは、何が欲しかったんだろう。

 ”望むものはすべて手に入れたと君は言うね。
  君の鳥はうたう。
  だけどまだ、僕を手に入れていないよ。
  僕を手に入れていないさ。”


すれ違いで始まる恋?そんなんじゃなくて。

誰もが自分を受け入れて欲しいし、認められる存在でありたい。そう思ってくれる人と一緒にいたい。華やかではない暮らしぶりでも、不真面目な勤務態度でも。

だから態度で示さなきゃね。すみませんでした。鳥ちゃんが飛び立った後では、手遅れかも知れないよ。




約2年半ぶりのレビュー……これからもちょっとずつ更新したいと思います。
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