かずシネマ

きみの鳥はうたえるのかずシネマのレビュー・感想・評価

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
3.5
青春もの。
まだ青い日々。
だけど少しずつ変わっていく日々。

何だかこの作品の空気感がとっても今っぽい…と思ったんだけど、原作は随分前に刊行されたものだった。
改変もあるそうなので、もしかしたらその関係で「今っぽい」と感じたのかもしれないが、そうではなくて、時代に関係なく普遍的な事や人々の描写だっただけなのかもしれない。
この3人と周囲の人々の様子はそこまでケレン味が無く、どちらかと言えば生々しく感じる。近くにいそう。

何よりも、こんな時期あったなぁと。
他の青春ものを鑑賞した時にも思う事だけど。
別にパリピでもなくヤバい交友関係がある訳でもない、何か大きな事件が起こる訳でも若さが暴走し過ぎる訳でもない、
淡々として遊んで何処かに空虚や焦りも抱えていて…そういう、静かな彼らの様子は観ていて居心地が良いような、悪いような。

「若さって無くなるものなんですか?」
という様な、とても可愛い後輩ちゃんの台詞が印象的だった。
個人的には、全部は無くなりはしないけど、無くなるものだと思う。
後になってからこの時と同じ事をしたとしても、この青い時期だけにしか感じられない事は絶対にあるからね。

函館の街並みがとても好み。
まだ行った事はないけれど、なんだかうちの地元に似てる気がするよ。

萩原聖人演じる店長との関係を清算する必要あったのかな?と思う。
2人にしか分からない事だったのだろうけど。
自分が彼女だったら店長を選ぶよw

あと書店の先輩…いいキャラしてたわ。
途中の棒振り回しの刑はともかく、ああいう人いるよねw
彼についてのオチを見るともしかして、彼は彼で青春の日々だったんじゃないかなぁ。知らんけど。

石橋静河の「オリビアを聴きながら」上手かったな。上手いというか、声が好き。もっと聴いてみたかった。
お父ちゃんの曲も歌ってみてほしい。
「灰色の水曜日」とか。
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