ハシオ

きみの鳥はうたえるのハシオのレビュー・感想・評価

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
2.5
本作は、佐藤泰志による小説を原作とした青春ドラマ。
ストーリーは、函館市郊外の書店で働く主人公の「僕」(柄本佑)と同居する静雄(染谷将太)、そして僕とひょんなことから体の関係を持つ同僚の佐知子(石橋静河)を中心にひと夏の幸福な日々をつづるというもの。

函館市民映画館シネマアイリスの開館20年記念作品として、オール函館ロケで撮影されており、監督である三宅唱の手腕によるものもあると思いますが、とにかく函館が美しい…。
というか楽しそう!
語彙力不足で申し訳ありませんが、“オシャレ感”に溢れていますね。

また役者陣も素晴らしく主要キャストの “若者感”は素晴らしかったです。

――が、正直(僕に掴めていないだけかもしれませんが)本作にはその“若者感”と“オシャレ感”のような雰囲気しか感じ取ることができませんでした。

超個人的にですが、僕は映画では登場人物たちの苦悩や苦境を描き、そこからどう再生するのかが見てみたいと思っています。
しかし本作には、登場人物の生活における苦労や悲壮感のようなものは感じられません。(ぼんや〜りした将来への不安くらいかな?)

失業中でも、サボってばっかのフリーターでも、酒飲んでタバコ吸って自由に遊べる。
何なら美人に気に入られセックスもできる…。
なんだそりゃ!っていうね。
僕は「僕」にボコられる森口(足立智充)が一番好きでしたよ(笑)
そらー、店長と従業員の女が不倫してたら嫌味の一つも言いたくなるよな。

もちろん、キャラクターへの感情移入とかで作品の善し悪しを決めるつもりはありませんが、それにしたってこの作品は“モラトリアム”しか描かれていなさすぎじゃないですかね?
函館でゆる~く生きるだけの若者たちのお話を誰が見たいんだろう?

この作品をハッキリ嫌いと言える人とは仲良くなれる気がしますね。
ハシオ

ハシオ