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支那の夜 蘇州夜曲 前篇のUCOCOのレビュー・感想・評価

支那の夜 蘇州夜曲 前篇(1940年製作の映画)
3.8
昔の日本映画はまだ、基本的に名作しか見てきていないのでたまにこういう変化球も面白いなと素直に感じました。

この何とも言えないコメディ感が(絶対当時は一切笑いを狙ってないけど)今の作品には出せない雰囲気を醸し出してて良いです。真面目に作ったんだろうけどチープな感じ、構成がチグハグとか本当ツッコミどころはたくさんあるんだけど、それがイイ。

山口淑子( 李香蘭 )は初見でしたが、もちろん美しくもあるけど、何とも言えないキュートな感じがすごく好きでした。
彼女には「日本・満州・中国( 支那 )」の当時の社会情勢が絡まり、時代に翻弄された女性の一人として歴史的にも重要人物でしょう。れっきとした日本人なのに、お国のためと敵国の中国人として女優デビューさせられた彼女は一体どんな思いでこの作品に出演していたのでしょうか。

瓦礫の街と化した支那の街並みは広大に広がり、撮影のために全く手を加えなくてもあの風景だけでも戦争の悲惨さを伝えているように感じました。

ちなみに「支那の夜」の歌、結構好き。
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