ちひろ

マザー!のちひろのレビュー・感想・評価

マザー!(2017年製作の映画)
4.0
とある夫婦の家に、いろんな人間がやってきて、妻はそれを快く思わないものの、夫はどんどん招き入れ、次第に家が崩壊していくという感じの物語。

前々から結構気になっており、ようやく見れた。
いろんな人の感想にあるように聖書について知識があると結構ストーリーを深く見ることができると思う。
私自身、西洋絵画の展覧会に頻繁に行くため絵に関係するようなキリスト教や聖書の知識しかなかったが、それでも様々なシーンで「あぁ、あの場面」を描いているんだなぁというのが読み取れた。
これから見る人は、多少なりとも、神(創造主)と母なる大地から、アダムとイブ、二人がタブーを犯す話、イエス・キリストの誕生、ノアの方舟あたりの話を少し知っておくと、メタファー的シーンがあって、それをうまく具現化しているなぁと面白く見れると思う。

また、そういう視点で見ると面白いというのはあるが、特に興味深かったのは、妻が家から離れられていないという構図が心に留まった。近年は全く違うが、古くからの日本社会だと妻が家で家事育児をするという構図があると思うが、それは見方を変えれば、夫が妻を家から離れられないようにしているとも言えて、そういう皮肉も混じっているのかなぁと感じた。
自称イクメンみたいな人は、この映画を見ると、妻や母の大変さを感じるのではないかと思った。
ちひろ

ちひろ