ヤマダ

マザー!のヤマダのレビュー・感想・評価

マザー!(2017年製作の映画)
4.5
成る程タイトルそのままの意味に溢れる映画だ。
拒否反応が出る人がいるのも無理は無い。その家の「最初の来客者」はとにかく無礼千万であるし、その「息子達」はよりにもよって下衆な話で争い「その家で最初の殺人」を犯してしまう。夫である詩人は全く役に立たず、客の無礼を困り顔で許し続ける。とにかく来客が来ては詩人の妻にとって大切なものを、「家そのもの」を徹底的に荒らし、破壊していく。こんな風に底意地悪く、しかしありのままにその様とある教えについてを見せ付けられては、ソレに熱心な人達にとってはたまったものでは無いだろう。
その事を抜きにしても本作はとにかく観る人を不快にさせる様に意味合いを込めて作られているわけだが、総じて本作、ダーレン・アロノフスキーが言いたい事は、本当に不快に感じているのは彼女なのだ、という事で、つまりは猛省せよ、人◯!と、いうところである。
正に悪夢の様な恐ろしい話だが最高に面白かった。欲を言えば、エンドロールのThe End Of The Worldは、テイスト的により皮肉が効いた、スキータ・デイヴィス版をかけて欲しかった。
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