ひぐらしの鳴き声を聴くとこの映画を思い出し、胸が捻り潰される。

家族とは、他人とは…生きるとは……
そこまでして何故生きる？
何故生かす？

人との関係、自分として生きることの意味を考えさせられる。

一生添い遂げたい大切な作品。

引きこもりの息子と長く会えてない母、彼らと関わることになるいわくつきの人々との奇妙な交流、そこから引き起こされる小さな事件。
登場人物全員ひたすら不器用で、不器用というだけで社会からどんどんこぼれ落ちてしまう悲しさ。
それでも、不器用な者同士の出会いは小さな奇跡を起こす。
終わり方は現代のお伽話だったけど、作り手の願いや希望のように思えました。

感想をどう言語化するか一晩考えた結果、私は「他者と関わるのが怖くて閉じこもっていた人が一歩踏み出す物語」に心揺さぶられるようだ。
「夜明けのすべて」「時々、私は考える」と共通するモチーフを感じて、じんわり余韻たなびく作品でした。

群青いろの作品は配信も無く、映画祭や上映会でしか過去作は観られない模様。
じわじわくる作風は結構好きなので、他の作品も観てみたい。

🖇