だいふくだるま

ピザ!のだいふくだるまのレビュー・感想・評価

ピザ!(2014年製作の映画)
3.4
インド映画にしては、上映時間は短めである。スラム街に住む兄弟が、街に新しくできたピザが食べたいが故に必死になってお金を貯めるところから始まる。

ところが彼らが頑張って貯めたお金にもかかわらず、ピザ屋の店員はスラム街の子供達を追い払おうとして暴力を加える。その映像がテレビに放映されるや否や、世間からの酷いバッシングに合うピザ屋。イメージを払拭すべく、スラム街の兄弟を招待して無料でピザを食べてもらうという結末。

最後、「あんまり美味しくないね」という言葉がすごく印象的だった。彼らはきっと子供ながらに、大人の狡賢さの権化とかしたピザに対して、もはや魅力を感じなくなっていたのだと思う。この作品の中に出てくるおばあちゃんがまた印象的。結局幸せというのは、お金がいくらあっても満たされるものではないということを気づかせてくれる。

他のインド映画みたいな派手さはあまりないのだが、今の貧困問題や大人の汚い裏事情みたいなものも見えてくるので面白い。