菩薩

めだまろん/ザ・レジデンツ・ムービーの菩薩のレビュー・感想・評価

3.8
「音楽 トラウマ」とくれば、おそらく真っ先にヒットするのは灰野敬二であると思うが、おそらく次にヒットしてくるのはレジデンツであろう、そして次にチコタンが来ると思い込んでいる節がある。一応はレジデンツの謎に迫ると銘打たれたドキュメンタリーだけあって謎に迫ってはいるが、当然のようにその謎が明かされる事はない。何故かと言えばレジデンツと言うのは彼らを愛する者一人一人を指すのであり、またそうでは無く、彼らの愛する者の中に存在するのであり、またそうでは無いからだ。彼らを知らない人達からするとついにこの野郎頭沸きやがったなと思われるかもしれないが、結局はそう言う事をこの映画は述べている。レジデンツと言うのは一つのコンセプトであり、アイデアであり、現象であり、世界であり、まぁ結局のとこはなんだっていい。彼らがいてもいなくても、彼が作ったとされる様々な作品がある、それを各々が咀嚼して脳内に構築されていくいや〜な感じのするもの、それ自体がレジデンツの正体である。我らが彼らを見ているのでは無い、彼らが我らを眺め、そして覗き込んでいる、心の奥底までも。奇想天外、摩訶不思議、意味不明、そんな表現よりもグロい、キモい、そんな彼らの魅力に取り憑かれたあなたは、はたから見たら大きな目玉にしか見えませんよ、俺と同じくね…。

追記:ファン専用ムービーなのかな?これを入り口に、ってのも悪く無い気がするが。とりあえず『ラ・ジュテ』好きは観ておかないと。
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