HAL8192

この世に私の居場所なんてないのHAL8192のレビュー・感想・評価

3.4
序盤と設定は良かったが・・・

主人公は、ほんの少しこの世界に絶望していたそんなある日、自分の家に強盗が入り、金目のものが盗まれてしまう。ただ警察は特に動いてくれる様子もなく、ただ戸締りを気を付けてというばかり・・・そこで、自分で犯人を見つけ出そうとして行く。

この主人公のほんの少しの絶望が何とも共感させられる。スーパーの棚の物を落としても拾わないだとか、レジを先に割り込まれるだとか、読んでいる小説のネタバレを聞かされるだとか、ほんの些細な事なのだが見せ方が上手く少しずつ心が摩耗していく様がよく描かれていた。

そしてその最後に強盗という心のキャパシティを超えることが起きることで物語的にドラマが始まっていくが、そこからがちょっと問題。

正直にいうと序盤に物語的な設定が終了してしまっているし、後半に行くにつれて軸がブレにブレてしまっている。特に終盤では現実で起きれば被害者と言えるかもしれないが、一生モノのトラウマがさらりと流されている。(トラック)

全体を見ると序盤の設定を早く回収しすぎた為に、下手に別の話をぶち込んで、グチャグチャにして御都合主義でまとめた印象。
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