Genichiro

赤線地帯のGenichiroのレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
3.6
1956年、溝口健二の遺作。往年の緊張感、見る者の脳天をぶち破るような凄まじい画は今作には全くなかった…とはいえこれはこれでなかなか面白い。全くもって明るい話ではないんだけど、なぜか見終わると元気に明日も生きていこうという気持ちになる。嫁いでいく女性を見送るワンカット、幸福な未来というものを全く予感させない場面でここのなんとも言えなさはすごい。一つの場に集まった女性たちの悲喜交々を描く作品、って数多の廓ものよりもジョセフ・ロージーの『スチームバス』を思い出したり。
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