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赤線地帯のTICTACのレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
4.5
『赤線地帯』(1956)

世界の溝口健二。監督の遺作。売春防止法案(1958年施行)が国会で審議されている最中の時代性を反映した、ダークで不安定な雰囲気に包まれた映画。ただ、ユーモアも決して排除されていない。店名となっている「夢の里」が皮肉。ラストの余韻も独特な音楽と相まって非常に薄気味悪い。戦後10年、お国の意識が今日より強い気がする。貧困、就職難、女性の社会進出。現代に生きる私たちにも無視できない問題が浮かび上がる。しかしまあ、女の人は強いな。日本の映画をもっと観よう。
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