ここにーる

赤線地帯のここにーるのレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
3.5
売春防止法が制定される前後の赤線地帯にある"特殊飲食店"での女たちの悲喜劇。溝口健二の遺作。口減らし(食費減)や親の借金のカタに娘が叩き売られた時代と今の風俗嬢を同じに取っちゃいけないのだが。いかにもズベ公役の京マチ子やあまりにも嬢のリアリティに欠く若尾文子なんかより、病気(結核)を苦に自殺未遂を起こす夫や乳飲み子を抱え一家を支えようと必死のド眼鏡生活感主婦木暮実千代にこそおっ勃ててしまう哀しい自分がいた。