法月

ビブリア古書堂の事件手帖の法月のレビュー・感想・評価

ビブリア古書堂の事件手帖(2018年製作の映画)
3.9
原作小説未読。ドラマも漫画もアニメ版もあるらしいが、真っさらな状態での鑑賞。

好きだ、この映画の雰囲気がとても好きだ。
ていうか、ぶっちゃけ栞子さん(黒木華)が大好きだ(≧◇≦)!
眼鏡美人の栞子さんの古書に関するうんちくを、ひねもすのたりのたりかなと小さな古書店の片隅で聞いていたい....それだけでいい!
(ちなみにドラマ版の栞子さん役はゴーリキーらしい....絶対観ないと心に決めた|д゚) 個人的好みなので許してください<m(__)m>)

そして回想シーンで登場する主人公、大介のおばあちゃん(の若き頃)役が夏帆だ!
どこにでもある定食屋のおかみさん、だけどいろっぽい夏帆がとても好きだ、もぅこれだけでいい、かつ丼おかわりっヾ(≧▽≦)ノ

個人的ツボ押されまくりの本作。けど、好み抜ききにしても中々の傑作だと思うんですよ。古書にまつわるささやかなミステリー、それを探るうちに故人の恋愛模様が浮き彫りになっていくという筋書き、良いです。

小説いっさい読んだことないボンクラな主人公、大介役の野村周平も良い、ボンクラさが良い。
スカした古書マニア、稲垣を演じる成田凌も良い。
そして回想シーンに登場する太宰治かぶれの文学青年、田中嘉雄を演じる東出昌大も良い(偶然だけど東出昌大は一本前に観た「菊とギロチン」でも、ダメダメなクズ男を演じてた。好青年なイメージの東出だけど、汚れ役もなかなか似合う、今後が楽しみ)。

殺人まで至らない些細なミステリー、ていうのがもともと好きなんですよ。それと取り上げてる小説の内容が絶妙にリンクしてる点も憎いんですよ。続編も是非作ってほしいです、このキャストで。
原作も読みたくなりました。



追記
「自信持て生きよ、生きとし生くるもの、すべてこれ、罪の子なれば」
太宰治

昔から太宰治が嫌いだった。なにより終世モテモテだったことが気にくわない。女房子供いながら愛人と心中。死ぬならひとりで死なんかい!
かっこつけのナルシスト、うぬぼれと自己嫌悪のシーソーゲーム、ほんと嫌い!ひとりじゃ死ぬ勇気もない卑怯者!
....けど、心の底ではどうしようもなく太宰に惹かれてたことも確かで。自分も濃厚に太宰的な人間だってことはわかってたんだよ嫌ってほど(モテモテな点、以外は)。

ちょっとネタバレ。
















「じいちゃんの小説は、惨めな恋の私小説だった....ほんっとくっだらない.... 良い小説なんだ....」

泣けるんだよ、結局(T_T)....
法月

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