つきかげ

Ryuichi Sakamoto: CODAのつきかげのネタバレレビュー・内容・結末

Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ryuuichi sakamotoはやはりカッコいい!僕は、彼の事をそんなに詳しくは知らないYMOだった事、戦場のメリークリスマス、芸者ガールズそれくらいのことしか知らないけれど、本当にカッコよかった。
様々な作られたのものではない、音を探し自然界の音を録音するsakamoto。僕に理解できる範疇をゆうに超えた感覚、哲学を持って「音楽」「音」と向き合う坂本龍一氏からは、僕には具体的に何がすごいのかは分からない、でもはっきりと「何かすごいことをしている。」という静かなる気迫と覚悟が生命力が感じられたのです。

既に成功を納めた人間にあそこまでの好奇心があることにも感服する。(無論、彼にとっての悦びは成功ではなく、表現すること自体なのだろうが)

彼は、作曲家であり表現者である、そしてこれまでの全てを壊そうとしさえする。
沢山の旋律を創ってきたであろう彼は、彼のパートナーでもあるピアノという楽器は本来の自然界にある音ではないのかもと疑問を持ったり、世界に元々ある「音」を取り出すために雨の日にバケツをかぶってその音を聴き、北極の雪解けの水に録音機を流し音を釣るのである。

そんな、嘘みたいな行為がちっとも安ぽくない、悦に浸っているのでもなく本当に感動していることに、自分とは違うホンモノの才能を感じてしまう。無邪気さと円熟を兼ね備え、発見をし、疑う事から逃げず、突き進むけれど、他者への感謝を忘れない。きっと100分のなかで、僕が感じた事は一部でしかないのだろうが、新しいアルバムの中にsakamotoの全てに近いものが入っているのであろう。

あー、天才(天才という言葉で括っては失礼だろうけれど)になりたい。
しかし、天才になりたいと思う気持ちは僕が天才ではないという何よりの証明なのだろうけれど。
つきかげ

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