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Ryuichi Sakamoto: CODAのERIのレビュー・感想・評価

Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)
4.4
公開されていた時見に行きそびれてずっと頭から離れなかった作品がNHKのEテレで放送されたので録画して見ました。ありがたい。

冒頭、福島の被災地で演奏するシーンで「寒いから体が温まるように走ったりしてもいい、気楽に聴いてください」と言って、弾きはじめたイントロで自分でも驚くぐらい泣いてしまってびっくりしました。Merry Christmas Mr.Lawrenceは素晴らしすぎて言葉も出ない。

何もかもが洗練されていてとても心地よい。音が心地よい。YMO時代の頃もめちゃくちゃ尖っててかっこいい。そして映画でじゃないけど、同時期公開されたasyncのパンフで当時の自分は生意気で即殴ると言っている今の坂本龍一さんがまたかっこいい。坂本龍一さんの葛藤や病気のこと、映画音楽に対する愛や姿勢が素敵だ。

劇中で9.11の話になって、当時を思い出しながら気づいたら1週間音楽を聴いてなかったと。あんなに毎日音楽の中で生活をしていたのに、音楽を聴いていないことも忘れていたって。1週間後に外で若者がyesterdayを弾き語りしていて、そのときはっとしたって。音楽や文化は平和じゃないとできないんだって言ってて、すごい心に残る。本当にそうだなぁ。平和がいい。

印象的だったのは、新しい音に出会った時やいいフレーズが録れたときの教授の嬉しそうな顔が忘れられない。楽しそうなんだもんなぁ。素敵すぎる。
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