あべきょ

アトミック・ブロンドのあべきょのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.9
雰囲気はかなり好きなタイプのスパイ映画。
ベルリンというまさに東西冷戦における諜報活動の中心とも言える都市を中心にしつつ、壁崩壊時のその雰囲気を忠実に再現しようとしているところがスパイ映画としては、これ以上ない設定。
80年代を象徴するニューウェーブの名曲が(好みでない人は嫌気が差してしまうほど)存分に作中で使われていたのも個人的には最高だった。
(分かりにくすぎる気もするが)高度な心理戦もありつつ、アクションシーンも抜かりがなく、完成度が高いと思う。不自然に尺が与えられたサンプリングの是非を問うニュースのシーンも、実は後のロレーンによるカセットテープの細工を示唆しているなど細かい点も楽しめる。
ただ、何かと状況をかき乱すキャラクターであったパーシヴァルの目的が最後まで分かりにくかったり、時系列が無駄に行ったり来たりして分かりづらいのは、終盤の種明かしの納得感を失わせており、少しもったいなかった印象。
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