モウドクウサギ

アトミック・ブロンドのモウドクウサギのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.8
女子力(物理)な空前絶後の肉体言語ムービー。もはやスパイではなく格闘家、シャーリーズ・セロンが複数の大男相手に、ズタボロになりながら立ち向かう。中途半端なフェミニズムムービーを己の骨肉にて粉砕する。撮影中に歯を3本折ったと言われても、よくそれで済んだな…っとすら思えてしまうほど。また80'Sを代表する音楽が強烈に掛かりつつ、どぎついカラーライトがギラギラ照らすスタイリッシュを突き抜けたフェチズムが滲み出ている。意図的に配された鏡とそれに写る主人公らのカットが印象を強く残していく。一方で、話の全体像、嘘も上書きされたキャラの相関を捉えていくのは「裏切りのサーカス」よろしく難しく、字幕を追いつつ整理しきれた観客は如何ほどだろうか?まぁ、シャーリーズ・セロンが凄まじすぎて、そんな事があまり気にならなくなってしまうのも確かだが…。