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アトミック・ブロンドのPAのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.9

・ロレーンを一言でまとめるなら地球が荒廃する前のフュリオサ(そりゃそうだ)

・ロレーンは無敵で最強だけど例えばワンダーウーマンみたいに神話的な力を備えていたり、どこかのヒーローみたいにスパイダースーツを着たりするわけじゃない。拳で、鍵で、冷蔵庫で、殴る。"冷蔵庫で殴る"のだ。女であることの不利さを人知を超えたパワーやテクノロジーに頼らずにカバーする術がきちんと用意されていて、それが"そこら辺に転がってる物を利用する"なの好感がもてすぎる。何かの手違いで戦闘に巻き込まれるなんてことがあったら真似しような!!

・ロレーンに「親を殺された辛い過去があり、仇を取るためにスパイに身を投じ… 」みたいな余計な重たさを背負わせていないところもいい。共感できる主人公像に迎合しない強さ。

・ロレーンは怒りや苛立ち以外の感情を見せずただ粛々と任務をこなしているからそうプログラムされたアンドロイドみたい。ただ1つ、デルフィーヌへの愛情を除いて。人間味のないロレーンがデルフィーヌの前だけ武装してない素顔を見せるとこにグッとくる。女同士だけど友情じゃなくて愛情なのが…

・ストーリーはたしかに複雑で分かりにくかったけど、観劇後登場人物の相関図見ながら答え合わせするのが楽しかったので個人的には問題ナシ。


・各国のスパイ映画をきちんと履修した上で見たらもっと考察ができるんだろうなーと思う。見たい映画底なし。
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