わいあっと

最初に父が殺されたのわいあっとのネタバレレビュー・内容・結末

最初に父が殺された(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルから連想するような血生臭い、残酷なシーンは終盤に差し掛かるまで 殆ど無い。(だからこそ、ラスト近くの無慈悲さ、痛みがズンと胸に来る)

ただ淡々と、幼い少女の視線で進む。


たとえば、共に遊ぶ兄妹達の顔。
たとえば、優しく微笑む母。
たとえば、自分を抱き上げようと穏やかな顔でこちらに両手を伸べる父。

それらの暖かな色が少しずつ褪せて、失われていく感覚を 少女の目を通して体感する。

こういった題材の作品にありがちな、ドロリと汚い風景よりも、
きらきらと木々から差し込み瞳を透かす陽射し、植物の緑、僧衣の朱色などやけに美しい色合いが 全体を通して静かさと切なさを際立たせている気がした。


忘れられない作品が、またひとつ増えた。