ぴんじょん

ブーベの恋人のぴんじょんのレビュー・感想・評価

ブーベの恋人(1963年製作の映画)
5.0
恋人って宿命の人なのね。

音楽がやたらと有名。
器楽のポピュラー曲集には必ず入っていたなぁ。
何度もフルートで吹いた覚えがあるぞ。

モノクロームの映像もいい感じ。
カラーなんかよりもよっぽど美しく感じました。
こんなに美しいモノクロームの映像は見たことがないと思えるほどでした。

最初は物語の舞台がどこなんだかよく分かりませんでした。
主人公のモノローグで1944年、つまり第二次大戦中かな、という事が分かる程度。
パルチザンをしていたブーベという男が、死んだパルチザン仲間の家に報告にやってきます。
この家の、美しいが野性的な娘と恋仲になります。
物語は、些細なことから准尉父子を殺してしまったことから逃亡生活を余儀なくされるブーベと、情熱的に彼を追う娘が中心となって展開します。

歴史や語学に疎い僕にも、後半でようやくイタリアの話だという事が分かりました。
ってことはイタリアの敗戦後が舞台ってことね。
イタリアにはファシストに抵抗するパルチザンがいたということも驚きでした。
本当に僕は物を知らない…。

しかし、物語はあくまで男と女の物語として進みます。
ブーベことジョージ・チャキリスもいいけど、なんといってもその恋人、マーラを演ずるクラウディア・カルディナーレの美しさは圧巻です。
昔の映画って俳優さんがきれいですよね。

モノクロームでありながら、イタリアらしい女性の情熱がむんむんと伝わってきます。
ブーベの逃亡中に束の間の幸せにすがりそうになるマーラが「でも、私はブーベの恋人なの。」と言って去っていくところが印象的でした。

「恋人」ってのはうわっついたものではなく、宿命にも似た強いものが感じられます。
さすが情熱の国イタリアです。
そうそう、「ひまわり」も思い出しちゃいました。

2019/10/27 20:12
1,103-3
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