MasahideYoshida

ヘルタースケルターのMasahideYoshidaのレビュー・感想・評価

ヘルタースケルター(2012年製作の映画)
2.7
2012年公開
監督:蜷川実花
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全身整形によって究極の美を手に入れた女性の、欲望と凋落のお話。

原作知ってるか知らないかで大分見方が変わっちゃうと思うけど、どちらにしてもおそらく違和感だったのは、羽田の描写。

唯一の常識人として物語のアンカーになりつつ、常識人であるが故にりりこの闇に引きずり込まれる役、のはずが、「妄信的なバカ女」に設定が変わっちゃってたのよね。

それはそれでありかも知れないけど、だったら寺島しのぶじゃない。寺島しのぶなら、原作の羽田を描いた方が締まったと思う。どっちつかずだったせいで、感情移入しづらい役になっちゃったと思う。

あとは音楽。最後の「美しき青きドナウ」は、いただけない。一気に陳家になっちゃった。もったいない。

キャスティングはばっちりだったと思いますよ、羽田以外。ただ要所要所、悪い意味でコントロール出来ていないのが見えちゃって、それが、演出の狙いをあざといように見せちゃってるのが、あーあって感じでした。原作パワー様々系。

2012年8月7日