せい

ヘルタースケルターのせいのレビュー・感想・評価

ヘルタースケルター(2012年製作の映画)
3.7
圧倒的な芸術性。りりこの部屋の様子はどこを切り取っても絵になる。
赤を基調としたりりこの部屋は物に溢れていて、タイトル通りしっちゃかめっちゃかだ。
原作も読んでみた。
原作とのりりこの違いは”カリスマ性”にあると思う。どちらもカリスマ性に溢れているが、映画は雲の上の存在のような、手に届かないところにいる気がする。原作はそれに比べて少し親しみがもてるというか、可愛らしいイメージだ。うまく言えないけど。
沢尻エリカがすごい。世間から愛されるりりこというキャラクターの感情の起伏や、蝕まれていく体に恐怖を感じたり薬によって堕ちていく様が見事だった。
「5年経ったらあたしのことなんてみんな忘れてる むしろそのことの方が楽しみ」
こずえのこのセリフ好きだな。りりこの考えはこずえには理解できないし、こずえの考えはりりこには理解できないだろう。生まれ持ったものが違うから考え方も違う。でもこずえみたいに執着することなく生きれたら楽なのかもしれない。
ラストのシーン、映画原作ともに好きだなあ。あれでりりこは伝説になった。
そして、それは目でなければならなかったのだ。
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