乾燥機

ヘルタースケルターの乾燥機のレビュー・感想・評価

ヘルタースケルター(2012年製作の映画)
3.9
ヘルタースケルターという映画を観た。

この作品は岡崎京子さんのコミックで最初に実写映画化された。

にも関わらず、岡崎京子原作の映画でまだ観てなかったのは本作だけだった。

意を決して観てみたが、かなり現代的な印象だった。

本作の主人公であるリリコを演じた沢尻エリカがマネージャーの女性(寺島しのぶ)にコスメをプレゼントするシーンがある。

その際に「コスメはドラッグみたいな物で使えば使うほど強いのが欲しくなる。」という意味合いのセリフを沢尻エリカが口にする。

化粧をしたことはないが、多分その通りだと思う。

化粧に限らず、人は美を追求し続ける。

いつの間にか手鏡を持つ人は少なくなって、都合良く美化してくれるスマホのカメラに自分の姿を映すのが大衆的になった。

そしてセルフプロデュース的な要素を孕んだInstagramが流行り、今となってはTik Tokもメジャーなコンテンツになってきている。

作中で彼女が言っていた通り、次第に強いのが欲しくなっているのだろう。

けれど容姿の美など一時的な物だ。

本作のセリフでもあったが
「若さは美だが、美は若さではない」

普遍的な美しさに手を伸ばすべきだと改めて思った。

現代社会を生きる全ての男女に突き刺さるメッセージ性を孕んだ映画。
乾燥機

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