―――17歳―――
「3年前は14歳で、3年後は二十歳」
その台詞を聞いた時、はっとした。
なんて曖昧で輝かしい年齢なのだろう、と。
17歳という年齢が背負っている世界は、あまりにも無限で残酷だ。
そんな多感な時期を、恐らく人一倍多感に過ごしたのであろうIZAM監督の視点が、自らの経験や想いとリンクしてすっと浸透していくのが心地好かった。
絶望ではなく、苦悩があるからこそ感じられる幸福・・・これがもっとも近いリアル。
そんなリアルが表現されているのだけれど、少々間延びしていて、実際の時間よりも長く感じてしまうところが残念。
主演の三浦アキフミが“映画の中で演じている”姿と日常を、巧い具合に好演している。
エンドロールの夏音(杉山彩乃)・・・そこに全てが凝縮されているかのようで、瞬きするのが惜しかった。