柏エシディシ

エジソンズ・ゲームの柏エシディシのレビュー・感想・評価

エジソンズ・ゲーム(2019年製作の映画)
3.0
「ぼくとアールと彼女のさよなら」にやられて、監督の次回作として発表されてから楽しみにしていた本作。
ワインスタイン関連のあれこれやら新型感染症の自粛やらで……やっと観ることが出来た
(当初は2017年末公開予定……パンフレットにはその辺り全く記載されておらず。詳細はwiki辺りをご参照のこと)

エジソンはエライ人。そんなの常識……でもなくいろいろ問題のある人物であった事は知識としては認識していたけれど、偏屈な天才をやらせたら世界一のカンババが複雑な為人を巧みに演じている。
サイドキックのトム・ホランドもどうしたってMCUを想起させるけれど相性抜群ですな。
反対コーナーは珍しく好漢を演じるマイケル・シャノン。これが良い味わい。
細君のキャサリン・ウォーターストンとのやりとりも良い。

本作の見どころは、カンババとマイケル・シャノンの対決、となんと言ってもパク・チャヌクの盟友チョン・ジョンフンの撮影でしょう。
映画冒頭から名刺がわりの「旋回するキャメラ」が炸裂。
闇夜を照らす淡い光で19世紀後半の幻想的な雰囲気を独特なリアリズムで活写している。

テクノロジーの功罪と利権というテーマ性は普遍的で、結果を知っていてもスリリングな話運びの巧みさもある。
公開経緯の為に不遇の作品になってしまっけれど、ちゃーんと面白かった。
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