アフロ太郎

ミュージック・オブ・ハートのアフロ太郎のレビュー・感想・評価

3.6
映画ではバイオリンだったけど、別にバイオリンじゃなくてもいいだよね。なにかに必死に打ち込む過程に子どもが成長する上で大切なことがあって、そこから達成感や感動を味わうことが、子どもの心を育んでくれる。その体験で、また子どもたちが未来への希望を抱いていけるようになる。

先生にとってはその最後のステージが終われば、また新しい子どもたちがやってきてゼロから教えていく、の繰り返し。そしてまた希望を与えていく。その最後のシーンが一番好きだった。

私生活でうまくいっていない描写はいらないなあ、て最初は思ってたんだけど、”先生”もすごい人ではないってことがさ、よく伝わってくるよね。息子が生まれた日の話を窓際でしているシーンも、息子の純粋な質問に「楽しいだけじゃうまくいかないの」みたいに答えて、「誰でも弾けるようになる」と言った先生のように、希望を捨てない人が誰かに希望を与えていける、でもそこには普通の家族と普通の人がいましたよ。



「音楽なんて無駄」みたいに映画で言われていたけど、映画だって、絵画だってそうで、生きていく上で芸術なんて無駄でしかないもの、なくても生きていける。でも映画の中で子どもたちがそうだったように、この先の人生で大切なものを養ってくれて、心を豊かにしてくれる。無駄でもやめられないよう。
アフロ太郎

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