原作は読まずに試写会にての鑑賞。
あっという間の1時間半。
この作品は、何かを伝えたいとか、わかって欲しいとかそういう事ではなく、誰にでもありうる感情、過去に似たような経験 、普遍的な日常なんだと思う。
臼田あさ美演じるツチダは、ミュージシャン志望の恋人せいいち(太賀)と同棲しながらも、過去にすがりつくように過去の恋人ハギオ(オダギリジョー)に溺れていくのだけど、、、、、
ただの優柔不断でもなく、ただ流されている訳でもなく、現状に満たされないもどかしさをナチュラルに透明感とかわいらしさで演じている。
せいいち役の太賀も素朴にナチュラルに演じ
ていて、生活費のためにツチダが愛人との肉体関係を持っている事を知ってから、働きはじめて、ミュージシャンも諦めずに成長するのだけど、ツチダと出会ったからこそ、せいいちも変わる事が出来たんだよね。
歌うシーンは可愛らしく、そこらへんのミュージシャンより上手いかもしれない。
そしてハギオはオダギリジョーで良かった。チャラくてダメ男なのに憎めないのは、色気があって、艶っぽいオダギリジョーだからこそ。誰だってオダギリジョーに誘われたら、無理でしょう。溺れるツチダも仕方ないと思う。ツチダとハギオの濃厚なキスシーンは見ていてドキドキする…!!
それぞれ満たされない現状の日常だけど、少しずつ変化し、成長する姿が見ていて微笑ましい。
ありふれた平凡の日々が幸せなのかどうかは人それぞれ。
せいいちがいいのか?ハギオがいいのか?
果たしてどちらでもないのか…?
痛くて愛おしい、普遍的な恋愛映画。