たいよーさん

南瓜とマヨネーズのたいよーさんのレビュー・感想・評価

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)
3.1
その音を壊さないように生きていたはずが、突然壊れた。そこから始まる愛の葛藤。少し大人が過ぎて、自分にはまだ早く感じた。


ツチダは、夢を追いかけているせいいちが好き。そんな自分が好きだったのかもしれない。原動力は「夢を追う」彼である。そんなせいいちは、バンドという居場所をなくし、ツチダに発破をかけられたことで、人として成長していく。角が取れたように、笑顔が似合う好青年へと変わっていく仲野太賀の演技はさすが。まぁ、バンドもバンドで、メジャーデビューも喜べないほど散らかっているので、いつしかせいいちが、最も正義らしく見えてきた。ハギオを引きずっている一方、せいいちにまた振り返ってほしい、その葛藤の狭間でゆれる頃のツチダには、不思議と色がついてゆくように見えた。


周りを冷静に見ているようで、自分の周りは散らかしても平気。強がりという殻を破ったとき、いままでにないほど美しい夜明けが待っているのではないか。
たいよーさん

たいよーさん