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ビジランテのronpeのレビュー・感想・評価

ビジランテ(2017年製作の映画)
4.4
クラウドファンディング応援団特別試写にて鑑賞。
入江悠監督作。入江監督オリジナル脚本の映画としては「SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」以来、約5年ぶり。渾身のカントリーノワール。
想像していた以上にシリアス。「太陽」以上に笑いの要素はない。
入江監督の過去作と比較するのであれば、2014年の短編「狂人日記」に近いぐらいの雰囲気。ダークでバイオレンス。
暴力が生み出すもの。憎悪が生み出すもの。それらから抜け出そうともがく者、支配される者。
様々な要素が組み込まれているが、基本的には三兄弟の話。
演じるのは大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太。ラストまで観るとそれぞれに見せ場があり、それぞれが素晴らしい。
その中でもやはり桐谷健太。実質主役のようなポジションであるがかなり抑えた演技で好演。
誰もが印象に残るであろう素晴らしいバイオレンス描写も、この桐谷健太と般若演じるヤクザが絡む場面。観ていて痛い名シーン。

ここ数年の各国の映画を観ていると多くの作品が当たり前のように扱っている題材として差別と移民がある。
なかなかこの点について描く日本映画はない印象なのだが、ここを本作は描いている。
入江監督が意識的に取り入れたのかどうかはわからないが、評価したい点。
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