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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男の文o文文のレビュー・感想・評価

3.8
冒頭5分ほどはこんな感じ

肩がぶつかり合うほど人口密度の高い議会
レンブラント風に陰影のあるライティング、怒号と力強い演説が行き交う
チャーチルの前の首相、チェンバレン首相退任へと進む

その後、与党幹部が集まる一室
誰を首相にするか話し合うも意見は噛み合わず、消去法によりチャーチルの名があがる
これまで場面でいっさいチャーチルは登場していない

チャーチル邸、毎朝決まっているであろう準備に右往左往する使いの者たち
ドアを開けた暗がりの奥、チャーチルが登場する
本人は真剣にこれから打つ電報を試行錯誤している
少し曖昧な滑舌、眼鏡上部から覗きこむ視線、ゆで卵のようなフォルム
しかしその姿は拍子抜けするほどかわいらしさを持っている
ゲイリーオールドマンの独壇場の演技に観客はクスクス笑ってしまいそう


これがこの映画のつかみ
チャーチルが登場するまでは状況説明をかねて、緊張感をいわゆるフリとして拍子抜けを誘っている
この一発で観客はチャーチルに心を開いてしまう

映画を観てる途中もたびたび本当にゲイリーオールドマンなのかなと凝視してしまうほどの作りだった
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