ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男の作品情報・感想・評価

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男2017年製作の映画)

Darkest Hour

上映日:2018年03月30日

製作国:

上映時間:125分

ジャンル:

3.9

あらすじ

「ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男」に投稿された感想・評価

ラウぺ

ラウぺの感想・評価

4.4
日本では辻一弘氏によるゲイリー・オールドマンの特殊メイクにニュースが集中していますが、まず第一に、脚本の妙味、それと、ゲイリー・オールドマンの神がかり的演技を評価すべき作品。

映画は1940年5月10日からの3週間弱に焦点を絞り、全編チャーチルを主軸に物語が進行していきます。
まず、演説と会話だけでこれほど起伏に富み、引き込まれる物語を綴っていく脚本の妙味に驚かされます。
ナチス・ドイツの脅威という非常に分かりやすい題材という有利さはあるものの、ステレオタイプ的な強烈な意思の持ち主といった面だけを押し立てたのではありふれた内容に終わってしまうところが、政敵の跳梁といった要素に加え、国が侵略される目前という差し迫った危機感をリアルに伝えることで、エンターテインメントとしても充分に楽しめる内容となっていると感じました。
ダンケルクやバトル・オブ・ブリテンの結果、英国はナチスに屈することなく勝利したことは後の世の我々には既知の事実ですが、ベルギーやオランダがあっという間に席捲され、フランスも降伏目前、ダンケルクに40万の将兵が取り残された状況下で、徹底抗戦を唱えることは一種のファンタジーもしくは教条主義的と受け止められても仕方なかったのではないかと思われます。
原題の「DARKEST HOUR」の持つ重みや切迫感はスクリーンから洪水のように襲ってくるのです。
そこから如何にして融和主義者を黙らせ、議会と国民を奮い立たせるのか?がこの映画の物語のキモです。
発車したら最後まで止まらないジェットコースターのようなストーリー運びの妙味はやはり体験してこその醍醐味でしょう。

そのうえで、やはり素晴らしいのがゲイリー・オールドマンの演技。
どっからどうみても面長のゲイリー・オールドマンが丸顔のチャーチルに似た要素などあるはずもなく、いくらメイクが素晴らしいといっても、ゲイリー・オールドマンがチャーチルを演じる必要性などあるのか?との思いが映画を観るまで拭えませんでした。
辻一弘氏の特殊メイクも予告や写真で見ても大変素晴らしいのは分かりますが、目だけはやはりゲイリー・オールドマンのそれで、ギョロ目で睨みつけるようなチャーチルの目のそれとはやはり違和感がありました。
それが本編を見ていると、これがチャーチルその人に似ている、という点よりも、鬼気迫る演技でその内面を描き切るという役者としての実力に魅入られてしまうのです。
これは似ているかどうかといった卑近な問題は既に超越していると言ってよいでしょう。ほんの僅かに視線や表情が動くだけのささやかな変化にどれほど内面の描写に雄弁さが加わるのか、それだけでその場面でのチャーチルの心理を見事に表現している、役者としての底力を見た思いがしました。
おそらく、今の平均的なレベルでは似せるだけならどうとでもなる特殊メイクかと思いますが、こうした表情の変化を作り出すことが可能となったことこそが、ゲイリー・オールドマンが辻氏を指名し、辻氏が承諾しなければ出演を断るとまで言った所以でもあるのではないかと思いました。

アカデミー賞作品賞ノミネート、主演男優賞受賞作に相応しい映画だと思います。
リーダーシップ

第二次世界大戦時のチャーチル首相。
なんだこの状況。クソッたれだなと思ってたら、主人公もまったく同じことを言ってて笑った。
最初はただ声が大きいだけの頑固な人という印象であった。物語が進むにつれ、非常に困難な選択を迫られた際のチャーチルの心の葛藤、国民の声に耳を傾け、選択したこと。難しかったんだろうなぁと思う。
当時のイギリスを導いた男の様を観れました。
勉強したくなる上質な作品。



チャーチル就任からダンケルク作戦決行までを描いた作品。戦時下の切迫した政争だけでなく、チャーチルや人々の日常について描かれていて、もう一度歴史を勉強したくなった。全くの素人だけど音響・衣装にこだわりが感じられて見応えがありました。「ダンケルク」も合わせて見たいところ。
リオ

リオの感想・評価

-
愛し抜けるポイントが1つ見つかったのでそれでいいことになった。そしてダンケルクの頃の時代知識が補完できるので良い映画!(口のうまい老害がワーワー言って終わります)

このレビューはネタバレを含みます

史実なだけに熱いですね!
この人がいなくて、いざ宥和政策ってなってたら大変なことになってたかもしれません

民衆の声を聞きに地下鉄に乗るシーンが胸熱です
しかも、一般市民の名前を覚えてくれるあたりさすがです

別件ですが、Vサインを反対にしたらクソ喰らえって意味になると学びました
プリクラで顎を隠すようにVサインしてる人は、クソ喰らえって言ってるってことに気づきました
Gaku

Gakuの感想・評価

4.1
映画の中で戦闘シーンはなく、ほぼ主人公の葛藤や演説、決断、議会の様子のみだったが、とても素晴らしい作品だった。
ダンケルクを見ていたので話の内容は面白い程理解できた。
ダイナモ作戦で囮となったカレーの4000人の兵士の気持ちを思うと辛い。おれが当事者なら地獄や。
終盤辺りから泣きそうになった

つまり自分は扇動されやすいタイプ
dasao

dasaoの感想・評価

4.1
人の声に耳を傾けることは素晴らしいことって思えるやーつ。
いいね!
koki

kokiの感想・評価

3.6
2018年96本目

内容はあまり覚えていない。特殊メイクはすごかった。

このレビューはネタバレを含みます

陰影のある、すこし色彩を落とした映像が美しい。
ゲイリーオールドマンの役作りがすごい。
過剰な説明なしに苦悩や葛藤など感情の揺れが伝わってくる。
比較的記憶に新しい「ダンケルク」のアナザーサイドが補完できたのも良かった。
この手の映画にありがちな「生い立ちからダラダラ」ではなく、前首相失脚からの数週間にフォーカスして濃密に描写しているのも良かった。それでいて彼のキャラクターや過去の失策、それによる現在の立ち位置みたいなのもちゃんと伝わってきた。しかも知る限りの史実に割と忠実な印象だった。

一方で、不満というより何となく根本的なところで何かピンとこないなぁとも思っていて、そこはやはり戦勝国の映画だからなのかなって感じる。戦勝国の人間と敗戦国の人間とで戦争そのものに対する認識のギャップは当然あると思うし、そもそもチャーチルが戦勝国の人々にどんな風に認識されてるのかもよく知らないので、この映画の方向性がいまいち掴めなかった。
つまり敗戦国ならA級戦犯として処刑されるような、日本でいえば東條英機みたいな人だと思うんで、ヒーローとして描いてるのか、戦争へのアンチテーゼとして描いてるのか、いまいち捉えにくかった。
まぁ地下鉄で民衆と対話するくだりで前者なのかな?と思ったけど、そうかと言ってその後のバトル・オブ・ブリテンとか、アメリカ参戦~勝利までを描いて終わるわけではなく、これでいよいよ全面戦争が激化、暗い時代に突入していく...というところで終わるのはまさに原題「Darkest Hour」の印象通りで、「ヒトラーから世界を救った男」というヒロイックな邦題は完全にミスリードだなと思った。

あと小さいことなんだけど、史実とフィクションの温度差がちょっとあってそこは僅かに違和感を感じた。特に、秘書官の子を司令室に連れてって機密を見せちゃう所と、突然車からいなくなって地下鉄に乗っちゃう所はおそらくフィクションだと思うけどちょっと浮いたシーンに感じた。
その後の地下鉄の乗客とのやりとりは名シーンでハイライトなんだと思うしまぁグッと来たんだけど、和平交渉に傾いていた彼に迷いを断ち切らせ戦争に走らせたのは民衆の声だった!というのが本当なのかどうなのかいまいちわからんのと、ここまで史実に忠実に描いてきたのに、この映画における最重要で最大の決断、その根拠になるシーンがフィクションなのか~ってちょっと思った。いや、映画的にいいシーンなんだけどね。

とはいえ「ギリギリのところで和平の道を模索して戦争を回避した」みたいなのが近年よくあるヒーロー像だったりする中、このインパクトはなかなか強烈だし、全体的に緊迫感に溢れていて、心理描写、映像、音楽どれも映画作品としてのクオリティは高いと思う。

不利な戦況を国民には伏せ、和平なんてクソくらえ、頭を下げるぐらいなら国家総動員で戦って死んでやる、これは国民の総意だ、と演説で煽るわけですけど、戦時中、特に大戦末期の日本も同じよーなもんだったわけで、勝ったか負けたかでヒーローか犯罪者か紙一重なんだなって改めて思った次第。
これを当時の日本にそっくり置き換えて映画にしたら、左翼が発狂しそうw
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