コロン

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のコロンのレビュー・感想・評価

4.2
チャーチルが首相に就いた1940年5月の20日あまりの日々に焦点を絞った着眼点がまず素晴らしい。彼ほど毀誉褒貶の激しい政治家は多くはないと思うが、その辺の事情を要領よく効果的に織り込んだ脚本も巧みで見事。彼のヒトラーに対する本能的な警戒感とイギリスをヒトラーから守り抜くという強固な信念がなかったら、世界は今とは全く違うものになっていただろう。国王ジョージ6世との真の友情、愛妻クレメンティーンとの微笑ましいエピソード、地下鉄内での市井の人々との語らい、言葉の魔術師の面目躍如たる圧倒的かつ理性的なラストの演説シーンに心が揺さぶられる。チャーチルの全人格を肯定することは難しいが、少なくともこの映画が描いた20日あまりは、間違いなく最高に輝いていたと思う。最後にゲイリーと辻一弘、オスカー獲得おめでとうございます!
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