公開当時、ポップコーン片手に映画館で観た人たちはどんな心境だったのだろう。予告の後本編が始まってから、のばす手が止まっていたことに気が付くのはエンディングの時だったのか、はたまた冒頭から、ポップコーンを買ったことを後悔し渋々持ち帰ったのか。
始まって1分以内には、身体は硬直し手に汗握り、薄目になっている。キリキリと痛む胃をさすりながら、豪華なキャスト陣だなぁなんてぼんやりと考えて気を紛らわせる。
30分に1回は直視出来ない場面に出くわし、薄目では耐えきれず画面から顔を背ける。現実ではまぁ見ることのない、勿論今まで見たこともないシーンに対して、"リアル"と表現するのもいかがなものなと思うけど、容赦なくリアルで、なんとも生々しかった。
立ち昇る湯気が見えそうな温度と、むわっとした湿度。匂い立つような画。
作品としては多分、きっと、素晴らしいのだと思う。ただ、いかんせん前途の通り見ていない場面の連続なもので。あくまで好みの問題、ゴメンなさい。