近藤真弥

孤狼の血の近藤真弥のレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
1.0
ミソジニー丸出しの『彼女がその名を知らない鳥たち』を観たときも感じたけれど、いまの映画界の流れをふまえると、白石さんのセンスはかなり古い(とりわけ性役割)ですよね。それは今回の映画でも同様でした。“昭和の男”的なイメージを美化するノスタルジックな臭気は、僕の目と鼻を終始不愉快にさせる。「いちいち観客を気にしていたら、今回のような激しい映画は作れない」という人もいるだろうけど、たとえば韓国などは世界的な潮流をしっかり汲み取ったうえで、裏社会系の激しい映画をバンバン作ってるから、まずはそちらを観てくださいとしか。是枝裕和さんが嘆いていた日本映画界のガラパゴス化の問題が凝縮されているという意味では、非常によくできた日本映画だと思います。
近藤真弥

近藤真弥