さんし

孤狼の血のさんしのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
3.7

ヤクザ映画を観たのはこれが初。


ヤクザ映画に対するイメージはとにかくハードボイルドで仁義!というかんじだった。


ただこの映画、ヤクザ映画のようでいて、いままでの同じジャンルの映画と比べて、ヤクザと一定の距離を置いている。言ってみれば、「ヤクザ」とか「仁義」とかというものを、松坂桃李というフィルター越しに俯瞰して観ていたような感覚だ。



つまり、普通に役所広司とほかヤクザが主体の映画になると、従来のヤクザ映画の枠組みの範疇というか、ハードボイルドもいいところでこういう映画に免疫のないぼくら20代前半のヤングには刺さらないし、かっこいいと思えないし、なんならちょっと引く。



でも松坂桃李という、「一般人目線」をもったキャラが一人入ることでこの映画の見え方はガラッと変わる。松坂桃李というフィルターを通してヤクザ映画の世界をずいぶんマイルドに味わうことができるようになる。




こういった理由もあり、ヤクザ映画の世界への導入としてはすごく優れた作品だと思うし、今や古典と言っても良いだろう、「仁義なき戦い」シリーズ、それから「仁義」以前のいわゆる「任侠映画」など見返してみて初めてこの映画の、このジャンルにおける立ち位置みたいなものがわかる気がするのでこれからヤクザ映画見まくります。
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