No.2544
素晴らしい。荒々しく、エネルギッシュで、観てるこちら側まで血がふつふつとたぎってくる。邦画で久々に心が揺さぶられた。
たとえば「アウトレイジ」シリーズの暴力シーンや殺害シーンは、正直、露悪的なところがあって、「そんな殺し方、現実ではしないだろ!」とツッコんでしまうこともあった。もちろん、そういう点も含めての「北野武節」なので、それはそれでいい。
ところが、本作は違う。すべての暴力シーン、残虐性に意味がある。松坂桃李が豚小屋で狂ったようにキレちゃうシーンでさえも、そりゃそうなるだろう、と納得させてしまう力がこの映画にはある。
パラサイトのアカデミー賞受賞で、なぜだか邦画界が自虐的になっている。自虐するのはまだ早い。