つだ

ソウルメイト/七月と安生のつだのレビュー・感想・評価

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)
3.8

友情という言葉では括りきれない、かといって同性愛でもないし家族愛でもない。2人にしか分からない関係性。“ソウルメイト"、この言葉がほんとうにしっくりくる2人だったように思います。

お互いを惹きつけあって愛し合って、そして憎しみ合った。似ているようで全く違う、全く違うようで似ている人生を歩んできた2人。

印象的だったのは、七月のお母さんのセリフとして何回も出てきていた「女は生きづらい」という言葉。2人を分つことになった原因は家明だけではなく、成長するにつれて2人がそれぞれに直面した生きづらさだったのではないかと思います。

自由を求め気ままに生きていく中で、うまく生きていくための妥協の仕方、男性に対する失望や愛する者を失う絶望、自由に生きることの寂寥感を味わい、やがては安定を求めるようになった安生。

この町で就職して結婚して子どもを産んで、そんな生活を送るのだろうと漠然と思いつつ、それでいいのかと安生に対する羨ましさなのか妬ましさなのか、消化しきれない気持ちを抱えていた七月。

お互いがお互いのことをすごくよく理解できるのに、できるからこそ「なんであんたは…」と責めてしまう時があるんだろうと思いました。

私にソウルメイトはいないので分からないけど、2人はきっとお互いの存在があったからこそ、幸せだったんじゃないかなと思いました。
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