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ファースト・マンのwarderbrothersのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
4.6
ー感想ー
IMAXで鑑賞

鑑賞前「デイミアン・チャゼルが宇宙の映画?音楽(芸術)系から離れて大丈夫なのか?」
鑑賞後「いつも通りのデイミアン・チャゼルじゃないか!安心したぜ!」

「セッション」では狂気に満ちた音楽で感動を生みました。
「ララランド」では美しい音楽と背景、そしてドラマから感動を生みました。
そして今作「ファーストマン」では、ドラマを極力抑え、映像と音響による美しさだけで感動を生み出したのです。

「人間って、映像の美しさでここまで感動することができるんだ。」という新しい気付きでもありました。
未知なる世界に広がる、言葉で表せない「美」、息をすることすら忘れさせる素晴らしい映像でした!

その「美」の体験こそ今作で最も伝えたい内容だったのではないかと思います。

宇宙と聞くと大抵の人がロマンを感じるなか、芸術性に焦点を当てた「デイミアン・チャゼル」、さすがです。


ー考察ー
「美とは?」
私にとって「美」という言葉を聞いて連想する言葉は「芸術」です。
では人は何に対して「美」や「芸術」を感じるのでしょうか。ぜひ芸術家に対してこの質問を投げかけたいところなのですが、勝手な自論で話させていただきます。

芸術(アート)を感じる枠組みはとても大きくて、簡単に定義できないのが芸術なのだと思います。例えば非日常的な画を見ればそこに芸術を感じる一方、かなり日常的な画を見てもそこから芸術を感じることができます。相反するのに、両方アートなのです。
そう考えると人間の脳にいくつかの芸術を感じる感性が別個に存在していて、それが1つでも反応すれば、芸術を感じることができるのではないでしょうか(自分でも言ってることがわからない)。

1つ言えることは、この作品で感じた美しさ、芸術性は今までに感じたことのないものでした。
つまり、自分の中で新しい芸術を見つけたのです。今まで眠り続けていた感性がようやく目を覚まし、新しい世界を見つけてくれた。
「視点を変えると世界の見え方がかわる。」ニール・アームストロングが作品序盤に残した言葉です。
「人類にとっては小さな一歩、、、」でらなくこの言葉こそが監督が最も伝えたかった言葉なのではないでしょうか。
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