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ファースト・マンのキャンのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
4.3
人類史で未知の領域に至った、正しく「ファースト・マン」としてのニール・アームストロングを描いた作品。

まず、ニール役にライアン・ゴズリングを配役したのは大正解。この人は本当に繊細で微妙な感情を表現するのがうまい。
そして、演出。
操縦室内での緊迫感、出発から月面までの道程と着陸・踏破のシーンは特に素晴らしかったです。

感想。
本作は決して、never give up を謳う映画でもないし、ニール・アームストロング個人やアメリカの偉大さを強調するだけの映画ではないと思います。
本当に、正しく、「未知の領域に踏みこんだ個人」を描いた映画です。
様々な責任・圧力(映画で確認してね)の中で、とんでもないリスクと向き合いながら月へ向かう彼の姿はストイックという領域をこえて静かな狂気すら感じました。
何故、彼はそのような境地に至ってまで月に向かうことを諦めなかったのか。
本作のドラマ部分の核はこの問いの回答にあります。

宇宙旅行という娯楽の可能性が見えはじめた今、この映画を見る価値は大いにあると思います。
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