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ファースト・マンのNAOZYのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
4.0
「ファーストマン」を観た。
「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督の新作は宇宙飛行士のお話。
過去に「ライトスタッフ」「アポロ13」という名作があるが、なぜ今、アポロ計画の話なのか?
トランプ大統領が語る宇宙軍とか火星旅行とか宇宙へのフロンティアを目指すためのプロパガンダなのかと邪推してしまうのだが、この作品はそういう映画ではなかった。
愛娘を失い、次々と仲間を事故で失う一人の宇宙飛行士の苦悩を描いたドラマである。
アポロ計画の内実は失敗の連続で月に行くのも一か八かの大勝負だった。
都市伝説でアポロは月には行かなかったというのがあるが、テレビ放送はスタジオで撮影したものだというのも、計画の危うさからいえば至極当然のような気がする。
国の威信をかけた事業だから失敗したところは見せられないからバックアッププランは当然あっただろう。映画「カプリコン1」は有人火星着陸が実はセット撮影だったというストーリーだったが、暗に月着陸の中継はそういうことなんですよとほのめかしている。
つまり、それだけ月着陸はリスキーな一大事業だったわけだ。
ニール・アームストロングが月の上で娘のために行ったある行為が胸を打つ。
宇宙飛行士の目線で英雄視することなく一人の人間として偉業を成し遂げた男の姿を丹念に追っていった作品である。
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