キヘンニカミ

ファースト・マンのキヘンニカミのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
3.8
チャゼル監督ということでセッションやララランドのような劇的な展開を予想してましたが、やはりあくまでも史実ベースですね。
かの有名な月面着陸のシーンは私達人類の大きな一歩ですが、アームストロング個人の大きく重い一歩でもあったのが今作でよく分かる。
地球にいる家族や亡くなった娘や死んでいった同僚、様々な思いを抱えながら彼が成し得た偉業。

正直反応が困る描き方でした。
人は誰しも混沌とあふれる思いを抱えながら生きていると思う。彼のように干渉されずにひとりで整理したい思いもあるだろうし、結局のところ当の本人にしか本当の重みを感じれない。
そんな中、彼の妻は本当に素敵な女性だと思いました。日頃は挑戦し続ける彼を献身的に支え、彼が自身の事で手一杯になり明らかに間違えてると思えば強く叱り、いろいろな思いを整理しきれず抱えている彼を理解し側で待ってあげる。二人の愛がとても素敵でした。

そして私達、彼に果たして称賛という言葉を宛てるのが適しているのだろうか。
自分は観ているうちにいろいろな思いが溢れ最後はよく分からなくなってしまいました。

そしてここから映像の感想です。自分はせっかくなんで4DXで見たのですが、ちょっと凄すぎて笑っちゃってました。ジェットコースターとかは苦手で乗ってる最中は怖くて楽しくないんですけど、自分の置かれてる状況が可笑しくて凄い笑っちゃうんですよ。それでした笑

映像が元から一人称視点のような閉塞感あふれる船内映像や何が起きてるか分からないようなカメラワーク。そして身の回りの些細な音ひとつひとつに臨場感があって凄かったです。もう、鉄が軋む音ってあんな怖いんすね

4DXが観れるなら是非1000円多く払っても見たほうがオススメです。この先4DXでリバイバル上映されることなんてあまりないと思いますし、今しか見れないと思えばひとつひとつの映画が貴重な機会です。今作はちゃんと会話やシリアスなシーンは空気を読んで微動だにしませんし計算されています。
是非