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ファースト・マンのyossieのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
3.5
アポロ13の印象があるからだろうか。
当時の宇宙飛行って技術的にもものすごく冒険だったと思う。しょっちゅう事故などがあって沢山の宇宙飛行士は亡くなったし、本当に命がけで宇宙にいったと思う。
映画になったアポロ13も帰還こそできたけど、ずっとトラブルの連続。映画はそのトラブルをどう解決してクルーを安全に帰還させるか、だったので最後まで緊迫感でいっぱいであった。
そんな映画だと思っていたので、結果ニール・アームストロングの伝記的ストーリーだった事にちょっと的外れ感を覚えてしまった。
ハナから伝記的映画っていう事をある程度知っていればこんな残念な気持ちにはならなかっかもしれない。
多分見る視点が違ければ間違いなく素晴らしい映画だったと言えたと思うから。

ソ連との競争。国の威信をかけての国家事業だけに宇宙飛行士という職業、というだけで周りの見る目は違っただろう。
その反面、どんな状況に置かれても常に冷静に物事を判断する事が求められるし、常に命の危険も背中合わせ。当然幼い娘を亡くしても同僚の事故死を目の当たりにしても取り乱す事もない。
それは大気圏を抜けて無重力状態になった時に来る無音の世界にも似ている。
人類の歴史的一歩を踏み出しファーストマンになった事でそれまでの色んなプレッシャーから解放されたのだろうか。
カレンと書かれた小さな形見のブレスレットを彼はカメラにも見つからないようにそっと放る。それが唯一の彼の感情に思えてならなかった。
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