とにかくグレートだぜアメリカだぜ、とされがちな歴史的な出来事を、とにかく個人の視点まで落としに落とした作品。
初手の閉塞感による一発。この監督はとにかく頭に一発パンチをぶち込んでくる。
とにかく閉塞感に閉塞感を重ねてくる。
自宅でのシーンでは不安定なカメラワークで座りの悪さを重ねまくる。
BGMを減らし、効果音で煽る。
月に行くなんて尋常じゃない。ハード。ヘビー。そんな面をこれでもかと押し付けてくる。
何故そこまでして、彼は挑み続けるのか。
その答えの1つをしっかりと用意して、そこに至らしめるための演出。
荒天の中の登山の果て山頂に着いたかのような感覚に陥る。
月面への旅路は一転BGMを用い、更なる逆転から月面への一歩を演出する。
しかしそこがこの作品のピークではなく、彼にとっての一歩はその先にあった、といった展開には流石にやられた。