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冬の旅のJJのレビュー・感想・評価

冬の旅(1985年製作の映画)
4.3
冬の寒空の下、頼りない布切れのテントを担ぎ、ヒッチハイクしながら放浪の旅。自由じゃなきゃ嫌、楽して生きたいから労働はお断り、親切にされても決して誰にもお礼は言わない、煙草とハッパが大好きなモナ。そんな彼女の徹底したスタイルを貫き通した結果、道端で凍死なわけだけど、わたしには哀れには全く感じなかった。むしろ清々しいまでの生き様。自分も若い頃は"自由じゃん"が口癖で、煙草とハッパが大好きで、楽園求めてバックパッカーの旅をしてたことがあったからか、妙に親近感が湧いたし、彼女が仲良くなったモロッコ人の出稼ぎ労働者や孤独な金持ちのおばあちゃんだったり、彼女の人のセンスが好きだった。旅先で出会う女性たちは大抵モナに好意的で、男性たちは汚いと言い放つのが、ヴァルダらしい描き方で印象的。インタビュースタイルなのもヴァルダ印◎
にしても、カチカチのバゲット叩き割ったり、素手でオイルサーディン食べたり、履いてるブーツの最終形態だったり、ワイン祭に遭遇して逃げ回ったり、ワイルドすぎてめっちゃ笑った。ヴァルダの傑作見れてよかった◎
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