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冬の旅のsixpenceのネタバレレビュー・内容・結末

冬の旅(1985年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

色んな人がモナについて語っている映画。勿論、モナは彼らにとっての鏡である。


個人的に特に印象に残っている箇所は、リディ(使用人ヨランダにとっての「退屈な人」)とモナが楽しそうに会話をしているシーンである。とても「退屈な人」には見えなかった。相手によって人は印象が変わるし、色んな面を見せる。

ヨランダ
独りだと寂しい 二人でも満たされない 私は孤独

哲学の先生
君は自由に生きてるね 僕の生活は孤独と自由の中間さ

自由を選べば孤独になる でも長くは続かないよ 僕の友人は酒と薬におぼれて自滅した 長生きしたければ旅はやめなさい 孤独というのは体もむしばんでいくからね
  「不公平だろ 働けよ」
モナ「人に使われるのは真っ平よ」

別のホームレスらしい女性
「批判するのは簡単だわ お金があればね こっちは無一文」

「教授が探せと言った娘が見つかった 教授には伝えるな
ぞっとするほど汚い 最低だよ
前はまだ まともだったが今は本当に怖い 関わりたくない」

真冬の夜
モナ「ママならこう言うわ 食事は豪華に」

ワインをかける祭りで皆が汚れ、モナも他の人も同じような状態になる。
翌日に凍死した状態で見つかる。

主人公の家族に関しては、ほぼ何も触れられていない。
モナの背景事情の設定によっても、物語の印象は変わる気がする。
あと、色々な犬が登場するが、誰かに飼い慣らされるという意味か?

劇中、人生を変えられるチャンスはあったはずなのだが、
と思ってしまう。


追記
どうしても哲学者「ディオゲネス」のことが頭から離れない。
彼を好いている人も嫌っている人もいたようだ。人は皆そうだけど。

犬:犬のディオゲネス 犬儒派?
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