コーヒーの味がわかる男

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめのコーヒーの味がわかる男のレビュー・感想・評価

4.5
キュートで心温まる映画でした。

序盤はロマンスパート。2人が恋愛自分ルールを破りながら愛を育む話。
ここで魅力的なのが2人のコミュニケーションのやりとり。とてもキュート。アメリカ憧れがギュッと詰まってる感じ。
主演の女優、ゾーイカザンの笑顔がサイコーでした。

中盤からは難病パート。お涙ちょうだいになりがちな展開だけど、どんなに辛い局面でもユーモアがあって、スベってる会話が続く。終始クスクス笑いながら鑑賞できました。でも、病気の絶望感が描かれてないわけでなく、数回廊下シーンがでてくるんですが、非常出口の扉が遠い。この絵を見た瞬間、終わらない闘病生活が続くのかなぁ〜と感じてしまった。自分好みの映画的表現でした。

ジャドアパドが制作総指揮をしてる映画らしく、コミュニケーション、愛などの物事の負の側面(嘘、誤魔化す、浮気、差別)がしっかりと描かれている。この映画に出てくる人たちは負の側面を抱えていて、逃避せず、向き合い、下手なりに解決しようと努力する。この過程の中に、可笑しみというスパイスが加えられ、人間としての豊かさを提示してくれる。この側面が描かれている時点でサイコーなんです。

闘病が終わってからのシーンは自然と涙が出てきました。そして、ラストシーンは、自分好みのスパイスの効いた終わり方なのでほっこりサイコーな気持ちで帰宅しました。

上映館は少ないけど、多くの人に観てもらいたい映画です。