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わたしたちの家のあのレビュー・感想・評価

わたしたちの家(2017年製作の映画)
4.2
「セリーヌとジュリーは舟でゆく」のように、家の中に異世界が生じている作品はたくさんありますが、空間同士を並列に扱い、お互いが敢えてその境界線を越えないでいて、しかもしっかりと共鳴させ合うその手法が異質です。

異世界に迷い込むなら分かりますが、障子の向こうに居るというような「共存」を、法則も何も全く説明せずにしっかりと表したところに凄みがあると思います。監督の新作が3月に公開されるみたいなのですごく楽しみです。

ダニエル・シュミットの「デ・ジャ・ヴュ」を挙げられている方もいてなるほどと思いました。スイスはグリゾン州の小さな城下の過去と今が微妙に触れ合う感じは確かに今作に似ていた気がします。こちらもまた3月にデジタル・リマスター版が「季節のはざまで」と共に公開されるということで、綺麗になった映像でもう一度確認してみたくなりました。
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